You can find the original english-language version of our story on Hidenori Izaki’s 2014 World Barista Championship win online here. イタリアのリミニで開催された「2014 World Barista Championship」で、日本代表として出場した丸山珈琲・小諸店の井崎英典(いざきひでのり)バリスタがチャンピオンに輝いた。今回初の優勝を勝ち取った丸山珈琲はオークションでトップクラスのコーヒー豆、特に「Cup Of Excellence」(カップ・オブ・エクセレンス)の称号を持つ豆を取り扱っている事で世界的にも知られ、軽井沢を中心に7店舗のカフェを展開、そして焙煎も行う会社である。過去5年間のジャパン・バリスタ・チャンピオンシップの優勝者は、全てこの丸山珈琲が排出しており、世界的な強豪店として注目を浴びてきた。2009年中原見英バリスタ、2010年、2011年鈴木樹(すずきみき)、2012年、2013年は井崎バリスタが日本チャンピオンとして輝いている。 今回の優勝は、「World Barista Championship」 では日本初、そしてアジア初の栄誉だ。 井崎バリスタはコスタリカにあるマイクロミル・モンテ・コペイのエンリケ・ナヴァロ・ジュニア氏がプロセスしたレッドカトゥーラ種とティピカ種の二種類の豆を駆使し、今回の優勝を勝ち取った。サンタ・マリア・デ・ドータのタラス地区にあるこのマイクロミルは標高1,800~1,900メートルにあり、コスタリカの中で最も標高の高い場所に位置する。マイクロミル・モンテ・コペイはコスタリカの中で進歩的なマイクロミルとして有名であり、ラ・バンデラ・カイエ・コペイ、アルコン、カスカーダ、エンシーノと言った多種の農園のコーヒーチェリーをプロセスし、ハニープロセスなどの実験的な処理方法を導入している。井崎バリスタもハニープロセスとナチュラルプロセスで処理された豆を大会で披露した。 ナヴァロ氏と井崎バリスタは国境、海、言語を越え、最高級のコーヒーの為にパートナーシップを組んだ。その希有なパートナーシップを見事世界大会での優勝へと結びつけた井崎バリスタは、大会中も終始、そのコラボレーションの意義について語り、優勝に対する謙虚な姿勢を貫いていた。現地の生産処理場を訪れ、ナヴァロ氏と出会った経験は井崎バリスタに多大な影響を与えたようだった。 井崎バリスタはエスプレッソコースにハニープロセスで処理されたティピカのコーヒーを使用し、カプチーノコースにはナチュラルのレッドカトゥーラを使った。エスプレッソベースで創作するシグネチャービバレッジにはこの二つのコーヒーを使用し、それにアップルシロップ、ピーチネクターをペアリングした。これらを丸氷が入った独特な丸いカクテルグラスに注ぎ、審査員のパネルに出す前に冷やした。技術面で重要だったのが二つのNuova Simonelli Mythos Oneのグラインダー。丸山珈琲はNuova Simonelli社とも、親密な連携を組んでいるのだ。 「2014 World Barista Championship」を優勝した井崎バリスタは最後に謙虚な言葉でルーティーンを締めくくった。「彼のコーヒー生産に対する情熱は私がお客様の為に最高のエスプレッソを抽出する情熱と同じです」と、井崎バリスタは仲間であり自分のコーヒーの生産者のナヴァロ氏の事を話した。「私たちのコーヒーをお楽しみください。二人でなければできませんでした。」今回の優勝は二人の勝利と言えるだろう。 写真提供:Eileen P. Kenny 取材協力:Alex Bernson (Sprudge.com 編集助手) 訳:Neo Sora (NY在住 翻訳家/映画監督)